Rutile Designのブランディング
- Rutile Design

- 9月16日
- 読了時間: 4分
私はもともと個人規模のお客様が多いので、
ここ数年建築費爆上りしたおかげで建築の仕事が減って
食品ブランディングの割合が多いです。
最近出会ったお客様には
私建築士なんですよ?というと
そうだったの!?('Д')
みたいな反応になります。
でも、どうしても建築もブランディングも
切り離せないなと思うのです。
もともとは
店舗設計→食品ブランディング
のつもりだったのですが、
最近は
食品ブランディング→設計
の流れもあったりします。
結局はひとつの世界を作り上げるので、
どちらから入っても確かに同じではあるのですが・・・
私が単体のデザインではなく、
全てのデザインコーディネートにこだわるのは
「世界観」です。
例えば、もともと店舗を持っているお店が
パケージデザインを刷新したい、
客層をシフトしていきたい、
となった場合お店のデザインがそのままで
あって良いわけがありません。
まるごとやりなおさなくとも、
色合いを調整したり、什器を1台変えるだけでも
体現したいコンセプトに近づいたりします。
逆もまた然りです。
たまにラベルだけデザインしてほしいという仕事もありますが、
その商品をどこでどのように販売してどのような
アプローチをするのか、WEBやカード類、ギフトボックスなど
全てデザインしなければ、本当に良いデザインができたとは
言えないと思うのです。
特に私のお客様はかなり独特の世界観やポリシーをもっていて、
一般的な「万人受け」を目指すような商品はほとんどありません。
それはヴィーガンやオーガニック、相場から逸脱するほどの高級品など
かなりコアな客層を狙った商品やお店が多いです。
そして、そのような思想強めのお店や商品は
魅せ方がとても難しく、しかしながらとても価値ある場合が多いので
その価値を私のデザインの力で「正当な価値」もしくは
それ以上の価値にまで押し上げなければなりません。
また、万人受けの必要が無いというか、
あまりにもかけ離れた価値観の客層にまで届けてしまうと
逆にただ高いだけの高飛車な商品のように評価されてしまうので
バズらせるのも危険という難しいバランスです。
私のお客様で最も大きくイメージチェンジして、
<商品価値の底上げ>という観点から言うと
一番大きく変貌を遂げた「田んぼのおやつ」様。
元々ヴィーガン&グルテンフリーという超絶個性を
持っていたにもかかわらずうまく価値が伝わっていませんでした。
しかも、ヴィーガン&グルテンフリーという超高難易度の
パンとお菓子をかなりおいしく提供できているのが
田んぼのおやつのすごいところ。
ほんとうに、これは私も買える時に大人買いしちゃうほど
めちゃくちゃ美味しいんです。
私は別にヴィーガンじゃないですが、あえて田んぼのおやつを
食べたいと思えるほど美味しいのです。
これってめちゃくちゃ凄いことだと思うんです。
ヴィーガンでなおかつグルテンフリーでここまで人を
魅了できる美味しさにできるってとんでもない職人魂だと思います。
しかし、こういった健康志向のパンに全く興味が無い人からしたら
ただ、小さめの高いパンでしかないのです。
わりと高めのパンを買い続けられる客層は間違いなく
富裕層が多いので、デザイン的にはエレガントフェミニンに
固定しました。

特にギフト系には力をいれています。
健康志向系の食品ギフトは「見栄」が必要です。
「こんなにおしゃれで健康でマニアックなお店知ってる自分」
が必要なのです。
そしてそれを人に言いたくなる、教えてあげたくなるのが心情です。
また、田んぼのおやつは基本ネット販売やイベント出店がメインですが、
週に1日だけ店舗で販売しており、そこの内装デザインもさせていただきました。

カラーやトーンを統一してブランドイメージを強化し、
雑貨なども全て選ばせてもらいました。
元々の常連さんも満足してもらえるようなお店に
生まれ変わりました。
なんとイベントの時の制服もコーディネートさせていただきました(/ω\)
どうしたら想いが伝わるのか、価値が伝わるのか、
お客様自身も真摯に向き合ってくれているので
私としてはとてもデザインがしやすく、
最も結果を出したお店かもしれません。
でもうまくいった一番の理由はやっぱり
「本当に美味しい」からなのです。
しかもそれはアレルギーのこどものため、
食事制限している人にもっと美味しいものを食べてもらいたい、
というようなキレイゴトではないホンモノの気持ちが
のっているからだと思います。
そんな凄い商品のブランディングができて
私はとっても楽しいし美味しいです( *´艸`)



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